おせち料理の詰め方は地方や各家庭によって違ったりしますが、伝統的な詰め方やしきたりがあります。
三段重ねの一番上のお重、一の重には、おせち料理には欠かせないおめでたい品である祝い肴三種(いわいさかなさんしゅ)や口とりを詰めます。
祝い肴三種とは、まめに働けるようにという願いをこめた黒豆、豊作を願う田作り、子孫繁栄を願う数の子の三品のことです。
口取りとは、栗きんとん、伊達巻、かまぼこなど甘いものをさします。
おせち料理作り初心者でも詰めやすい一の重の詰め方に、「末広」があります。
これは、色がはっきりしているものを器に入れて重箱の中央に置き、それを中心として周りに放射状に詰めていく方法です。
例えば、紅白なますを青竹の入れ物に入れて中央に置きます。
紅白なますは汁気が含まれているため、他のものに汁気や味が移らないようにする目的もあります。
紅白なますの上に木の芽やいくらをあしらうと、とても華やかで一層見栄えがします。
この紅白なますを中心にして、黒豆、田作り、数の子、栗きんとん、伊達巻、かまぼこといった料理を詰めていきます。
料理の色や味のバランスを考えて配置すると、より美しくおいしく詰めることができます。
また、伝統的な詰め方の一つに、「八方詰め」があります。
この詰め方は、幸福が四方八方に広がるようにという願いが込められています。
「末広」と同じく、まず重箱の中央に一品を配置します。
それから、かまぼこや伊達巻など形がしっかりしたものを中央の上、斜め右下と左下におき、残りの場所に他の料理を詰め合わせます。