根菜を使ったおせち料理の一つに煮しめがあります。
普段作っている煮物に一工夫するだけで、おせち料理らしく仕上げることができます。
たとえば、野菜の切り方です。
普段は野菜を乱切りにしてそのまま煮るという人も多いかもしれませんが、面取りをしておくと煮崩れを防ぐだけでなく、見た目もきれいに仕上がります。
また、にんじんやれんこんを梅型や花型に切る他、こんにゃくを手綱の形にしたり結び昆布を入れたりと野菜以外にも気を配ると、華やかでお正月らしい煮しめになります。
煮しめは、材料ごとに別々に煮含める方法もありますが、すべての材料を一緒に煮る方法でもかまいません。
この方法だと、忙しい年末でも時間をかけずに、普段のおかずを作る感覚で煮しめを作ることができます。
野菜の種類が多くても、たっぷりの煮汁で強火で煮るようにすると、汁も濁らず、煮崩れの心配もないので安心です。
煮しめに使う野菜にはいわれがあります。
れんこんは、たくさんの穴があいていることから、将来が見通せるように、見通しが良くなるようにという願いがこめられています。
ごぼうは、細く長くしっかりと地中に根を張ることから、縁起が良いとされています。
煮しめ以外にも、たたきごぼうや八幡巻きなどのおせち料理にもごぼうは使われています。
里芋は、地中に小芋をたくさんつけるため、子だくさんの象徴、子孫繁栄を願う野菜となっています。
また根菜自体に、一家の土台がしっかりするようにという願いがこめられているので、根菜を多く使った煮しめは、おせち料理にふさわしいといえます。