数の子はにしんの卵です。親のにしんは「二親健在」につながり、「二親」から多くの子が生まれるのでとてもめでたく、子孫繁栄を願う縁起物とされています。
このため、古くから数の子はおせち料理にふさわしい一品とされてきました。
おせち料理に向いているのは、固めで良質の塩数の子です。数の子は米のとぎ汁につけ、四~五時間おきます。次に、数の子の薄皮をむきます。
薄皮を指で軽くこすってから竹串を使うと、うまく取り除くことができます。
薄皮が残っていると、この後の塩抜きの邪魔になるだけでなく、食べた時に生臭さが残る元になってしまうため、丁寧に取り除くようにします。
たっぷり水の入ったボールに少し塩を加え、そこに薄皮をとった数の子を入れ、六~八時間ぐらいつけて塩抜きをします。
途中で水が濁ってくるため、何回か水を替え、少し塩気が残る程度にします。
それから、濃いめのだし、醤油、みりん、酒、砂糖を煮立ててさまし、漬け汁を作ります。
二分の一の量の漬け汁の中に水気を切った数の子を一晩入れ、十分に味をなじませます。その後汁ごとザルにあけ、残りの漬け汁につけて味をのせます。
二度漬けにすることでべっこう色になり、おせち料理にふさわしいきれいな色に仕上がります。
好みで漬け汁に赤唐辛子を加えたり、食べる時にかつお節をかけると風味が良くなります。
また、塩抜きをした数の子を漬け汁に漬ける前に、ひたひたの酒を注いで酒洗いをすると、マイルドな味になります。